TAKAKO★マッドネスの何がアカンのよ

ぶっちゃけ、twitterで長文書くのめんどい。

ゲームクリエイターになれなかったJ( 'ー`)しカーチャンからたけしへ

※この物語はフィクションです。実際の人物、団体とは関係ありません。

J( 'ー`)し たけしへ。

カーチャンは元々ゲームクリエイターになりたかったの。

カーチャンの実家は当時としては珍しくあまりテレビゲームに抵抗のない家でした。カーチャンのジーチャン、つまりたけしのヒージーチャンにあたる人がインベーダーブームでボロ儲けした電気屋さんで、そのヒージーチャンの孫であるカーチャンのイトコが毎回PCエンジンやらメガドライブやら貰うのですがイトコが頑な任天堂信者で「要らんからあげる」と言ってカーチャンにくれるのです。
そんな事もあってカーチャンは割りとマニアックなゲームを遊んでいました。
やがてカーチャンはゲームを「やる側」から「作る側」になりたいと思うようになりました。
これが、カーチャンの初めての夢です。
カーチャンはその事を学校の授業で発表しました。教室の空気が一気に微妙になりました。先生も「何言うてんのこの子」みたいな顔をしていました。
カーチャンそんな事気にもとめずに帰宅後、カーチャンのトーチャン、つまりたけしのジーチャンにその事を話しました。ジーチャンこう言いました。

「あのなお前、そう言うのはな、エエとこの大学出て、コンピュータもよう出来て、メーカーに入らんとなれへんのやで」

カーチャンに、そんな学力ありません。
多分ジーチャンは遠回しに「勉強せえ」と言ったのかもしれませんが額面通りに受け取ったカーチャンは早速挫折したのです。
それからは中高とこれといった夢もなく過ごし高校卒業後姫路の不動産屋に就職して20代を迎えるのです。

(このまま、しょーもない人生過ごすんかなー……)

毎日そんな事を考えていた矢先、カーチャンの同僚(ヲタ)がとあるゲームを紹介してくれました。
月姫」と言うゲームです。
なんでも、めっちゃ流行っているゲームと言うのでカーチャンどのメーカーから発売されてるのか聞いたら意外な答えが返ってきました。なんとこのゲーム、同人サークルが作ったと言うのです。
カーチャン驚きました。エエとこの大学出なくとも、コンピュータ詳しくなくとも、メーカー入らんでもゲームを作れると言う事に。カーチャンの中で、眠っていた何かが起き上がりました。そしてカーチャンは両親に直訴するのです、東京出てゲームの専門学校に行きたいと。

ジーチャンは猛反対と言わずとも難色を示していました。いわく「そう言う学校なら大阪とか神戸にもあるやろ?家から通えるのと違うか?」と。
ところが隣で聞いていたカーチャンのカーチャン、つまりたけしのバーチャンが静かにこう言うのです。
「好きにしてやってくんろ」
バーチャンは元々タレントになりたくて岩手から大阪に来たと言うのです。吉本興業に入りたかったとも言ってました。カーチャンそんな話一度も聞いたことがなかったのでびっくりしました。普段ジーチャンが家で堂々とAVを観てても文句を言わないバーチャンが意見をしたのです。
そんなバーチャンのお陰でカーチャンは四月から東京のとあるゲームの専門学校に入学したのです、が。

まず勉強についていけません。カーチャン企画をやりたいのにやれ言語やら何やらともう頭がパンクしそうでした。そこへとある講師のこの一言にカーチャンはカチンときたのです。

「全く最近のクリエイター志望者はアニメやゲームばかりして他のコンテンツに見向きもしない」

お前それ言いたいだけちゃうんかと。どつき回したい位に腹立って。んである日、日比谷線に乗っていたら秋葉原の名前を見たのです。
秋葉原、行ったことないな……」
カーチャンの家が東京に旅行に行くときは大抵上野とか浅草とか、あと東京ドームで巨人戦を見に行くかくらいなので秋葉原に行ったことが無かったのです。カーチャン好奇心で秋葉原駅に降りました。

そこはもう未知なる世界でした。とらのあな行けば旬のジャンルの新刊が山積み!Sofmap行けば新作ゲームが山積み!カーチャンの田舎では考えられないような世界が、そこにあったのです。カーチャン生まれて初めて学校をサボりました。
それからと言うものカーチャンは船橋の焼肉屋で肉焼くか、水道橋のたこ焼屋でたこ焼くか、秋葉原で遊ぶかのフリーター生活を送るようになったのです。もう完全にダメウーマンです、学校もいつの間にか辞めていました。

そんなフリーター生活を送っていたある日、ジーチャンから電話がかかってきました。

「なあ、お前元気にしとるか?」
「え、まあボチボチやな」

「もしうまくいかんかったら、田舎戻ってこいや、こっちにも仕事あるで?」

カーチャンこの一言に震えました。多分、ジーチャンは心配して言ってくれたのだと思うのですが、カーチャンにとっては心を締め付けるような一言だったのです。

カーチャン今まで何をしてきたんだろう。自分が情けなくなって慌てて一階のコンビニで適当にチューハイを買って飲みました。泣きながら、時には嘔吐しながら。窓の外を見たらベランダ、あっこから飛び降りたらカーチャン楽になれるかな?でもそんな勇気も無く、カーチャンひたすらチューハイ呑んで、このまま急性アル中で死ねればいいかななんて思って。

気がつけばカーチャン病院のベッドの上にいました。看護師さんが言うには、男性の方が通報してくれた、と。なんでもカーチャンその日、泣きながらとある男性に電話をかけ、ただならぬ雰囲気に慌ててカーチャンの家に駆け込んで、カーチャンがドアを挙げた瞬間にカーチャンぶっ倒れて、ほんで119番にかけてくれたと言うのです。その男性が、たけしのトーチャンです。

J( 'ー`)し たけしへ。

カーチャンは酒も飲むし薄い本も読む、到底世間の人が理想とする母親ではありません。そんなカーチャンの元で良い子として育ってくれているたけしには感謝しかありません。
だからカーチャンはたけしが夢に向かって歩むなら全力で応援したいと思います。何ならYouTuberでもプロゲーマーでもプロコスプレイヤーでも構いません。
だけども、もし夢を追いかけるなら、これだけは約束してほしいの。

夢が叶わなくとも、決して人生に絶望しないで。

カーチャンはあの時、どこかでまだ希望を探して電話をしていたのかもしれません。しかしもし、人生に絶望していたら……。
夢が叶わなかったカーチャンにとって、たけしは希望なのです。いつも元気でいてくれる、それだけでカーチャンは幸せなのです。

この先たけしにはいろんな困難が待ち受けてると思います。もし辛いことがあったらカーチャンに言って。たけしの大好きな豚玉焼いたげるから。